黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
アルストロメリアの葉

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
タアサイ

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
白菜

葉の感触は柔らかくとても零下に耐えれそうにありませんが、これらの野菜・植物は霜が降りても元気に生育しています。見かけ以上にタアサイは強く、種類が少なくなりがちな冬野菜の中では力強い助っ人的存在です。

さて、冬に成長を続ける野菜・植物の葉を見ていてふと気がついたことがあります。それは全てとは言い切れませんが、春・夏野菜よりも葉の拡がりが大きく、光の吸収量が多そう(葉の面積が広い)だということです。その葉の形は大気中を伝播する電磁波(電波)を送受信するアンテナのようです。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-

さて、面白いのはここからです。

植物の葉の付き方(葉序)ですが、どうもここに自然界が生み出す神秘的な法則を見い出せそうだからです。

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“葉序研究は、19世紀に科学の一分野として出現して以来、ヒマワリの種、ヒナギクの花弁、松笠の鱗片、サボテンの棘など、さまざまな植物にみられる螺旋構造にその研究対象を広げてきた。15世紀にはダ・ヴィンチ(1452~1519)が、植物の葉はしばしば茎のまわりに螺旋状に配置されていることに気がついた。

その後、ケプラー(1571~1630)が、野の花々の多くは五角形であること、そして葉の配置にフィボナッチ数があらわれることを発見した。(中略)1830年、シンパ―は、葉のつき方に簡単なフィボナッチ数が存在することに気づき、彼が「起源的」と形容した螺旋において、「開度」(茎を中心軸として、一枚の葉と、その次の葉のなす角度)の概念を発展させた。

そして1837年、ブラヴェ兄弟が、水晶のブラヴェ格子と、葉序の理想的な開度(137.5°=360°/Φ²)を発見した。(「黄金比 自然と芸術にひそむもっとも不思議な数の話」より)
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ポイントがまとまっていますが、ちょっとこれだけの文章ではわかりにくいので補足をします。

フィボナッチ数(列)と言えば、最初の2項を0, 1 として、以後どの項もその直前の2つの項の和が続いていく数列です。具体的には、0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377...と永遠に続きます。

ご存知の方も多いと思いますが、フィボナッチ数列の法則が当てはまる代表例としてよくオウム貝の形が挙げられます。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-

そしてフィボナッチ数と関係が深い黄金比。黄金比を端的に表現すれば「1:1.618」となります。自然界の至るところに黄金比は存在し、最も美しい比率と言われています。例えば、ギザのピラミッド、ギリシアのパルテノン宮殿、ミケランジェロやゴッホの絵画、企業のロゴマークなどにも活用されています。ちなみに1.618はΦ(ファイ)という記号でも表します。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
(※1)

フィボナッチ数と黄金比の関係(前項を次項で割る)
黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-

ちなみに五芒星の長さにも黄金比が隠されています。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
(※1)

話しを葉の付き方(葉序)に戻したいと思います。

先の引用文で葉の配置にフィボナッチ数列があらわれるという内容がありましたが、下記の図を見てください。これは多くの植物の葉が付いていく際に見られるパターンであり、冒頭のアルストロメリアやタアサイも恐らくそうではないかと思います。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
(※2)

数字は葉が付いていく順番をあわらしています。

次のこの順番を角度の視点から見ていきたいと思います。以下の図です。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
(※3)

実に面白いことに葉が1→2、2→3、3→4...と順番に付いていく際の角度が「137.5°」に近い値になることがわかっています。この137.5という数字が大切で、フィボナッチ数・黄金比と関係が深い値なのです。円は360°ですがこの値をΦ²で割ります。そうすると137.5となります。

この開度がおそらく植物が最も無駄なく効率的に太陽の光を吸収するための葉の付き方であり、光合成をしていく上で有利であると言われています

そして黄金角とは、a=222.5°、b=137.5°の関係のことを言います。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
ユッカ

さて、さらに追求をしていきたいテーマは「ではどうしてこのような美しい性質を植物は持っているのか?」ということです。しかしながら、現時点では様々な研究が為されているものの、根源的な性質を解き明かすような明快な答えはまだ出ていないようです。

私たちは物質現象として発生しているものに対してはあらゆる角度から分析することで、どのような原理が存在しているかを明らかにすることは多くても(一般的に法則や原理と呼ばれるもの)、その発生の機構そのもの(潜象)に対しては判然としない方が遥かに多いと言われています。

ただ、ハッキリとわからなくても、こうした自然界の美しく神秘な現象を少しでも意識しながら、観察したり、野菜を栽培していると、ふとした瞬間に良い方法が閃いたり、何かが組み合わさって応用ができたり、そういうことに繋がっていく気がします。

農業は経験と実学的な要素が大きいですが、時間に余裕がある時はミクロ・マクロの両面から眺めてみて、何か面白い法則がないか考えるようにしています。

今回は黄金角の面から迫りましたが、植物にはフィボナッチ数列・黄金比の考え方を応用して、驚くべき法則を数多く見出すことができます。最後に写真と共に少しだけご紹介させていただきます。

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
ヒマワリの種の配列

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
カタツムリの渦巻き型の殻が形成されていく過程

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
シマウマの縞模様

黄金角-葉序に隠れた神秘の法則-
赤キャベツの巻いていく過程と断面

〔参考・引用〕
PhiTaxis: Fibonacci digital simulation of spiral Phyllotaxis (※1)
wikipedia Golden angle (※2)
go figue (※3)


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プロフィール
水谷翔(地域おこし協力隊 戸隠地区)
水谷翔(地域おこし協力隊 戸隠地区)
三重県桑名市生まれ。
2016年5月、長野北部・戸隠に移住し農業に取り組んでいます。
戸隠は3つの巨大な活断層に囲まれたフォッサマグナ地帯であり、火山灰土+海底隆起の肥沃な土壌が魅力的です。
無農薬・有機栽培・標高850m。
高原花豆・果菜類に力を入れています。

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