2016/09/03
戸隠大根の栽培と伝統野菜の魅力について
戸隠には戸隠大根という江戸時代から伝わる伝統野菜があります。
またの名を“きわだつ辛さに ほんのり甘さ” 戸隠地大根「戸隠おろし」。
日本各地にそれぞれ伝統的に受け継がれているご当地野菜ともいうべき在来種の野菜がありますが、ここ戸隠を含める信州はその種類が多く、「信州の伝統野菜」という名称で多くの認定されている野菜があるようです。私は最近その制度を知り、とても興味が湧いたのでいろいろと調べているところです。
長野県のWEBに制度内容や伝統野菜の種類が掲載されていて参考になります。
◎信州の伝統野菜についての説明
◎信州の伝統野菜選定リスト(現在75種類)
下記はこの制度内容の中で特に私が共感した部分です。
〔引用〕----------------------------------------------------------------------------------------------
古くから東西文化の融合点にあった長野県は、全国有数の伝統野菜の宝庫。各地の気候風土に適応して特徴的な味や形、香りなどを持った多種多様な野菜が、貴重な「食の文化財」として脈々と受け継がれてきました。
しかし、戦後の経済発展の中で、野菜の生産の主流は育てやすく見栄えのよい規格の揃った品種に移行し、その多くは衰退していきました。その一方で、近年、伝統野菜の存在意義を見直し、復興させようという取り組みが各地で広がっています。
そこで長野県では、県内各地に残る貴重な伝統野菜を次代につないでいこうと、平成19年に「信州伝統野菜認定制度」を創設しました。
(引用元:「信州の伝統野菜」のパンフレットより)
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私は個人的には松本一本ねぎ、ぼたんこしょう、小布施丸なす、黒姫もちもろこし(粒が黒に近い紫色)にも惹かれていて、来年は伝統野菜も何種類か栽培してみたいと思っています。やはり気候・環境が近い在来種の野菜には心惹かれるものがありますし、歴史・文化を継承していきたいという想いもあります。
さて、数日前となりますが、念願の戸隠大根の種が入手できまして、さっそく畑を整地・畝づくりを行い、種まきを行いました。
茶系の戸隠大根の種。普通の大根の種と見た目はほとんど変わりません。
種まき日は8/29に行いました。大根とコンパニオンプランツとして相性が良いと言われているニンジンと春菊を一緒にひと畝に3種をすじ蒔きしました。種まき後は発芽を促進させるために土の上からたっぷりと水をかけてあげます。
大根の種子は嫌光性とのことなので、1cmくらい覆土するのですが(春菊も今回はそうしました)、ニンジンは逆に好光性種子なので土はうっすらかけました。
約1カ月前にもニンジンの直播きにチャレンジしたのですが、その時はしっかりと覆土してしまい、しかも乾燥続きだったため、せっかく在来種の良質の種を入手したにも関わらず、発芽率はほぼO%という散々な結果だったので、今回はその反省を踏まえて再トライです。
3日後の9/1、見事に戸隠大根が発芽してくれました!
春菊、ニンジンはまだ発芽していませんので、期待して待っています。
*以下5点、JAながの裾花営農センター、戸隠支所発行のパンフレットより引用
○戸隠大根の起源とは?
戸隠には、江戸時代に商人が持ち込んだと言われる地大根があり、戸隠神社の宿坊ではそばの薬味として利用していた記録があります。これまで自家採種により栽培が続けられてきましたが、長い時間が過ぎる中でだんだん形や特性がばらついてきました。そこで、地域の人たちが品種改良に努力を重ね、平成14年9月、戸隠地大根本来の形質を持った〔品種戸隠おろし〕ができました。
○戸隠おろしの特徴
肉質が硬く、色が純白の辛味大根です。長さは15~20cm、太さ4~5cmの小ぶりなかわいい大根です。水分のバランスが程よく、辛さの中に甘さのある“甘もっくり”としたおいしさが自慢です。
○戸隠おろしの薬効
辛味成分であるチオイソシアナートは血液をさらさらにしたり、殺菌作用があります。でんぷん分解酵素もたっぷりで胃のもたれや二日酔いにも効果があります。
○戸隠おろしの利用方法
おろしのホロリとくる辛さはそばやうどんの薬味に最適です。硬い肉質はたくあんにぴったりです。少し甘みがあってパリパリとした歯ざわりは誰にも喜ばれるおふくろの味です。
○戸隠おろしの上手な使い方
☆おろすときは皮付きのまま、円を描くように力強くおろします。また、辛味を逃がさないために食べる直前におろします。
☆激辛がお好みの方は先端部分を使います。
☆保存する場合には、新聞紙に包んでビニール袋で覆って冷蔵庫に入れます。
ちなみに大根は葉の部分も栄養が多いんですよね。ビタミン、ミネラル等は格段に根よりも優れているようです。消化酵素がたっぷり含まれているので、自然の消火剤とも言われるそうです。
◎栄養成分について
根:ビタミンC、ジアスターゼ
葉:カロテン、ビタミンC、食物繊維、カルシウム
◎主な効能
食欲の増進、消化の促進、疲労回復、がん予防
本格的な大根の栽培は初めてのことなので、成長に応じてきちんと手入れしていきたいと思います。
まずは本葉2枚になったら1回目の間引き、本葉5~6枚までに2回目の間引きをして株間を15cmにしていきます。
大根の間引きのコツでとても参考になる内容がありましたのでご紹介します。
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★大根の間引きのコツ
1回目の間引きでは、葉の形がよいものを残す。このとき、子葉が畝と直角の方向に生えているものを抜く。それは、子葉と同じ向きに養分を吸収する側根(直根から出ている細い根)がはえているので、それを間引き、残す大根の根群を伸びやすくする。
一方、2回目の間引きでは、葉が斜め上方向に立たず、開帳ぎみで葉の勢いが強く、葉色が濃いほうを抜く。なぜなら、まっすぐ根が伸びていない大根の葉の勢いがよくなるためだ。その結果、形のよい大根を畑に残すことになる。
(引用元:「有機・無農薬でできる 野菜づくり大辞典」金子美登著)
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野菜はただ栽培するよりも同時にその野菜について多面的に知ろうとすればするほど、その魅力に惹かれます。加工品としてのアイデアも時には沢山出てきますので、何でもそうだと思いますが、まずはよく調べ、様々な可能性を検討しながら進めるというのは、農業にもピッタリ当てはまると思います。
これから秋・冬にかけてじっくりと手間暇をかけて育てていきたいと思います!
生育状況や様子はまたブログでお伝えします。
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またの名を“きわだつ辛さに ほんのり甘さ” 戸隠地大根「戸隠おろし」。
日本各地にそれぞれ伝統的に受け継がれているご当地野菜ともいうべき在来種の野菜がありますが、ここ戸隠を含める信州はその種類が多く、「信州の伝統野菜」という名称で多くの認定されている野菜があるようです。私は最近その制度を知り、とても興味が湧いたのでいろいろと調べているところです。
長野県のWEBに制度内容や伝統野菜の種類が掲載されていて参考になります。
◎信州の伝統野菜についての説明
◎信州の伝統野菜選定リスト(現在75種類)
下記はこの制度内容の中で特に私が共感した部分です。
〔引用〕----------------------------------------------------------------------------------------------
古くから東西文化の融合点にあった長野県は、全国有数の伝統野菜の宝庫。各地の気候風土に適応して特徴的な味や形、香りなどを持った多種多様な野菜が、貴重な「食の文化財」として脈々と受け継がれてきました。
しかし、戦後の経済発展の中で、野菜の生産の主流は育てやすく見栄えのよい規格の揃った品種に移行し、その多くは衰退していきました。その一方で、近年、伝統野菜の存在意義を見直し、復興させようという取り組みが各地で広がっています。
そこで長野県では、県内各地に残る貴重な伝統野菜を次代につないでいこうと、平成19年に「信州伝統野菜認定制度」を創設しました。
(引用元:「信州の伝統野菜」のパンフレットより)
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私は個人的には松本一本ねぎ、ぼたんこしょう、小布施丸なす、黒姫もちもろこし(粒が黒に近い紫色)にも惹かれていて、来年は伝統野菜も何種類か栽培してみたいと思っています。やはり気候・環境が近い在来種の野菜には心惹かれるものがありますし、歴史・文化を継承していきたいという想いもあります。
さて、数日前となりますが、念願の戸隠大根の種が入手できまして、さっそく畑を整地・畝づくりを行い、種まきを行いました。
茶系の戸隠大根の種。普通の大根の種と見た目はほとんど変わりません。
種まき日は8/29に行いました。大根とコンパニオンプランツとして相性が良いと言われているニンジンと春菊を一緒にひと畝に3種をすじ蒔きしました。種まき後は発芽を促進させるために土の上からたっぷりと水をかけてあげます。
大根の種子は嫌光性とのことなので、1cmくらい覆土するのですが(春菊も今回はそうしました)、ニンジンは逆に好光性種子なので土はうっすらかけました。
約1カ月前にもニンジンの直播きにチャレンジしたのですが、その時はしっかりと覆土してしまい、しかも乾燥続きだったため、せっかく在来種の良質の種を入手したにも関わらず、発芽率はほぼO%という散々な結果だったので、今回はその反省を踏まえて再トライです。
3日後の9/1、見事に戸隠大根が発芽してくれました!
春菊、ニンジンはまだ発芽していませんので、期待して待っています。
*以下5点、JAながの裾花営農センター、戸隠支所発行のパンフレットより引用
○戸隠大根の起源とは?
戸隠には、江戸時代に商人が持ち込んだと言われる地大根があり、戸隠神社の宿坊ではそばの薬味として利用していた記録があります。これまで自家採種により栽培が続けられてきましたが、長い時間が過ぎる中でだんだん形や特性がばらついてきました。そこで、地域の人たちが品種改良に努力を重ね、平成14年9月、戸隠地大根本来の形質を持った〔品種戸隠おろし〕ができました。
○戸隠おろしの特徴
肉質が硬く、色が純白の辛味大根です。長さは15~20cm、太さ4~5cmの小ぶりなかわいい大根です。水分のバランスが程よく、辛さの中に甘さのある“甘もっくり”としたおいしさが自慢です。
○戸隠おろしの薬効
辛味成分であるチオイソシアナートは血液をさらさらにしたり、殺菌作用があります。でんぷん分解酵素もたっぷりで胃のもたれや二日酔いにも効果があります。
○戸隠おろしの利用方法
おろしのホロリとくる辛さはそばやうどんの薬味に最適です。硬い肉質はたくあんにぴったりです。少し甘みがあってパリパリとした歯ざわりは誰にも喜ばれるおふくろの味です。
○戸隠おろしの上手な使い方
☆おろすときは皮付きのまま、円を描くように力強くおろします。また、辛味を逃がさないために食べる直前におろします。
☆激辛がお好みの方は先端部分を使います。
☆保存する場合には、新聞紙に包んでビニール袋で覆って冷蔵庫に入れます。
ちなみに大根は葉の部分も栄養が多いんですよね。ビタミン、ミネラル等は格段に根よりも優れているようです。消化酵素がたっぷり含まれているので、自然の消火剤とも言われるそうです。
◎栄養成分について
根:ビタミンC、ジアスターゼ
葉:カロテン、ビタミンC、食物繊維、カルシウム
◎主な効能
食欲の増進、消化の促進、疲労回復、がん予防
本格的な大根の栽培は初めてのことなので、成長に応じてきちんと手入れしていきたいと思います。
まずは本葉2枚になったら1回目の間引き、本葉5~6枚までに2回目の間引きをして株間を15cmにしていきます。
大根の間引きのコツでとても参考になる内容がありましたのでご紹介します。
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★大根の間引きのコツ
1回目の間引きでは、葉の形がよいものを残す。このとき、子葉が畝と直角の方向に生えているものを抜く。それは、子葉と同じ向きに養分を吸収する側根(直根から出ている細い根)がはえているので、それを間引き、残す大根の根群を伸びやすくする。
一方、2回目の間引きでは、葉が斜め上方向に立たず、開帳ぎみで葉の勢いが強く、葉色が濃いほうを抜く。なぜなら、まっすぐ根が伸びていない大根の葉の勢いがよくなるためだ。その結果、形のよい大根を畑に残すことになる。
(引用元:「有機・無農薬でできる 野菜づくり大辞典」金子美登著)
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野菜はただ栽培するよりも同時にその野菜について多面的に知ろうとすればするほど、その魅力に惹かれます。加工品としてのアイデアも時には沢山出てきますので、何でもそうだと思いますが、まずはよく調べ、様々な可能性を検討しながら進めるというのは、農業にもピッタリ当てはまると思います。
これから秋・冬にかけてじっくりと手間暇をかけて育てていきたいと思います!
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