(*本記事は長野市地域おこし協力隊ブログに2017/3/23にご掲載いただいたものの転載です)

こんにちは、戸隠地区の水谷です。中山間地の長い冬が終わりかけています。雪は随分と解け、久しぶりに大地の姿がはっきりと見えるようになってきました。気付けば小さな緑が芽吹き、花が咲き出しています。自然は自分達の生命のリズムを決して忘れず、その営みの細やかさには感動せずにはいられません。

天然の循環を感じながら生活をしていると、時間への体感覚が明らかに変化をしてきます。様々なモノ・コト・情報に囚われなくなっていきます。それでいて活力は漲り、次々にやりたいこと、やるべきことが自然発生的に生まれ、飽きることはありません。今年の春で戸隠に移住して1年を迎える私は四季の移ろいを経験し、それによって感性・直感も磨かれた気がします。





さて、春分(3/20)が過ぎました。これからは夏至に向かって段々と昼が長くなり、夜が短くなっていきます。昔は二十四節気を意識し、農業に臨むことが当たり前だったようですが、スピードの流れが早い都市部で生活しているとこういう感覚は薄れていく気がします。

しかし、山深い環境に身をおくと、現代でもそれを感じることができます。自然を眺めれば、木々の姿、雲の流れ、空の色、大気の湿潤、太陽光の強さ・彩度、水が流れる音・勢い,,,etcの絶え間ない変化を。

3カ月前、2カ月前、1カ月前とここ1週間を比較すると、まず食欲・食べたいモノが変わってきました。それから身体全体の感覚も違います。寒くて固くなっていた身体がほぐれてきて、足腰が動きたくてウズウズしています。思考は内的に何かをまとめたり、突き詰めたりするよりも、チャレンジや動作を欲しており、考えるよりも行動をという拡がりある感覚が強まっています。

ということで今週から冬の間に行動計画を練ってきた農作業を一気開始しました!

農作業の近況報告
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1.有機肥料作り
馬糞もみ殻米ぬかをベースとして、水で希釈した微生物活性液を適量散布しながら、手で丁寧にかき混ぜていきます。手でかき混ぜる理由は、糠漬けや味噌仕込みのように素手で触ることで常在菌が肥料に移り働いてもらいたいからです。「家の数だけ味噌の味がある」と言われるように微生物の活動で肥料も微妙な差が出てくるのではと期待しながら行いました。



2.圃場に炭素埋設
土中への炭素質(天然資材)の埋設は低コストで出来るうえ、土壌改良土地の電位を整え植物を優勢生長へと導く効果が期待できる画期的な方法です。大地・大気の電位・電子と植物成長の相関関係は現代の農業ではほとんど着目されていませんが、方法自体はかなり古くからあります。実践者の間では驚くような効果が出たという報告も多く、冬の農閑期の間に実践を前提として学習を進めてきました。早速その第一歩を踏み出しました。



3.数十種類の品種の育苗開始
戸隠のような標高の高い圃場では5月中旬頃まで遅霜が降りる可能性があるとして、苗の定植はその辺りに行われることがオーソドックスです。ですがナス科の野菜は発芽適温が高く、育苗も比較的時間がかかることから今週から開始しました。1~2月に発芽実験を行い、各種野菜の積算時間や様々な温度環境に対してどういう生育状況を示すかを大まかに把握することが出来たので、その情報をベースに試みています。


極小の種子はピンセットを使って播種を行います。


昨年とても美味しかった中玉トマトの自家採取種子の新芽です。勢い抜群!

4.育苗・栽培の環境整備



育苗用のビニールハウスを設置しました。3月下旬から稼働予定です。


高原花豆栽培用のアーチ支柱が到着しました。約140本あります(直管パイプも)。目標はこの3倍程度を見込んでいます。引き続き準備・手配を進めます。


1月の発芽実験中の高原花豆。5月下旬頃からが本番、今から楽しみです!

伝統食・保存食を体感し学ぶ
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冬の間は農家にとっては英気を養う時間であると共に春からの肉体労働を元気よく乗り切っていくための活力の源「保存食・伝統食」作りや大勢集まって一緒に料理を作ったり、意見・情報交換が盛んに行われます。

その場が味噌作りそば打ちこんにゃく作りやしょうま作りの会であり、実に自然の流れに沿った動作であると、ここでも感動せずにはいられませんでした。1~3月は地区の方々がお声かけ下さり、それらを体感し学ばせて頂きました。

この先、加工品製造を目標としている私にとっては古くから伝わる「食」の世界に触れることが出来たのは何よりの財産となりました。

1.味噌作り・仕込み

薪火で大豆を煮込んでいます。煮える大豆の匂いが最高でした。


塩と麹を加えて味噌玉を丁寧に手作業で作っていきます。


甕仕込みをされた大豆はこれからゆっくりと発酵していきます。

2.そば打ち
戸隠はそばが全国的に有名です。ようやくこの冬にそば打ちを体験できました。あまりにも面白いので、そば打ちを自宅でもやりたいと話していたらご近所の方が気を利かせてそば切り包丁を持ってきてくださいました。本当にありがとうございます。必要器具を順々に揃えていきたいと思います。







3.こんにゃく作り
手作りこんにゃくの味も抜群です。こんにゃくを作っている農家さんのお宅にお邪魔をして作り方を教えて頂きました。こんにゃくは体内に溜まった砂出しに有効と言われています。特に農家は土の付いたついたものを多く食べることから、古くからデトックスのために食されてきたようです。


こんにゃく芋です。これがグレー色のこんにゃくに変化していきます。


熱を加えながらかき混ぜていきます。


最後はアク抜きのために固形になったこんにゃくに熱を入れます。

4.やしょうま作り
やしょうまは長野ではスタンダードな食べ物であり、戸隠では地区によって時期の差があるようですが大凡2~3月に作られます。最近グルテンフリーの食材として話題の米粉をメインとしたヘルシーな食べ物で様々なデザインを作れる点が面白く、やしょうま作りの人気料理人もいらっしゃるそうです。

やしょうまとは:長野の郷土菓子で、米粉に砂糖・塩・熱湯を混ぜて蒸したものを練って棒状に成形したもち。輪切りにして食べる。生地にごまや青のりを混ぜたり、食紅などで着色したりするものがある。釈迦の入滅の日に行われる涅槃会(ねはんえ)の供物として作られる。◇釈迦が入滅の際にこれを食べ、弟子の邪(やしょ)に「邪、うまかった」といったという伝承から。(コトバンクより)







古くからの生活の知恵・営みに触れて学び、生命力に溢れた食べ物を頂き、春に向けて英気は十分です。エネルギーたっぷりで農業にトライしていきます!

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長野市の中山間地・七二会地区で栽培されているタカキビ

ここ数年で「スーパーフード」という言葉を特に食の分野ではかなり頻繁に耳にするようになってきました。字の如く栄養価の高い食べ物を指した名称ですが、当初それらは海外の食物を連想する趣があったように思います。

例えばキヌアヘンプシードチアシードクコの実カカオアロエベラノニなどそれに当たると思います。


クコ(東アジア原産)


ノニ(インドネシア原産)


カカオ(古くはマヤ文明等の遺物から栽培されていた形跡が見つかっています)

スーパーフードはタンパク質、ビタミン類、ミネラル類、酵素、抗酸化物質、良質の油脂、必須脂肪酸、必須アミノ酸、糖質栄養素などを効率的に摂取でき、免疫力を高める食材として優れているとされています。そして、ほとんどのものが無農薬で栽培できると言われています。

【スーパーフードの定義】
➀栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。
 あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。
②一般的な食品とサプリメントの中間にくるような存在で、料理の食材としての用途。
 健康食品としての用途をあわせもつ。
(一般社団法人日本スーパーフード協会より)

海外の食品は特に熱帯地方原産のものは色鮮やかなものが多く、食卓に華をそえ彩り豊かにしてくれるものが多いように思います。栄養価も高いとあれば食用としての価値・魅力を感じますが、ネックになるのは入手しにくいということ、馴染がないのでどう料理して良いのかわからないという点が挙げられると思います。

それに食の大切なポイントとして「身土不二」という考え方があります。これは身体(身)と環境(土)がそれぞれ分離しているのではなく、同一ものであるという考え方です(不二)。環境というとその土地の空気、水、光、土など、自身の周囲を構成する要素全てを指し、その中で人間も生活しています。 気候風土に適してその季節ごとに取れる野菜・穀類を中心に食べていれば病気にならず、健康に暮らしていけるという意味も持つ言葉です。

こう考えるとわざわざ栄養価が高いからと言って地球の遠方から高い輸送費と時間をかけて日本に持ってきたものを食べるのではなく、ごく身近なものに焦点を当てた方が理にかなっている気がします。珍しいものをたまに食べる分には良い刺激になると思いますし、食卓を華やかにする工夫として用いるのも素晴らしいことだと思いますが、平常時はその土地のもので同じような機能・栄養分を持つものを食したいものです。




春は長野北信では豊かな自然界の恵みの山菜がふんだんに取れます

今日本の雑穀類が再び注目されています!

以下は日本で昔から栽培されている雑穀類について栄養価の高さと魅力を書かれた文章です。とても参考になるので引用させていただきます。

★雑穀の栄養価と食品機能性
穀物はデンプンの固まりで栄養の足りない食べ物、という認識がまだまだ一般的ですが、じつは、穀物にはタンパク質や脂肪も含まれています。特に雑穀の栄養バランスの良さには目を見張るものがあります。

食物繊維も多く、各種ミネラルやビタミン類をはじめとする微量栄養素もたっぷり含まれています。本来、人間の主食とされてきた穀物には、人間の体が必要としている栄養素のほとんどが、それも、人間の体のしくみにあった絶妙なバランスで含まれていました。それは、五穀豊穣を祈り、穀物と野菜の食事を主とした食文化を持つ日本人が数千年以上も健康に生きてきたことから容易にわかります。

ところが、穀物の中でも、現代人が主食としている小麦粉や精白米は、長期にわたって品種改良されて栄養バランスが劣化しています。その上、過度な精白が一般的になってしまったので、穀物に対する評価が下がってしまったのです。

米、小麦の場合、ビタミンB群や脂肪などの大切な働きの栄養素が、皮や胚芽の部分に偏って含まれていて、精白すると皮だけでなく胚芽がほとんど取れてしまいます。その点、雑穀の栄養分は全体に分布しているので、調整してもバランスがいいのです。

古代から人間の主食として食べられ、野生の生命力を残して現代によみがえった雑穀は、米、小麦に不足している栄養、さらには現代人の体に不足している微量栄養素の宝庫です。食卓に雑穀を取り入れると、不足の栄養素が補われて米、小麦の消化吸収率が高まります。食卓の栄養バランスが一気に改善されて、健康がよみがえります。(※1)

栄養価をまとめた表を見たいと思います。微量栄養素の含有量が雑穀類は多いことがわかります。


(※1)

さて、冒頭写真のタカキビ、長野市の中山間地・七二会地区で栽培されていると書きましたが、これは信州大学さんが雑穀利用の可能性の大きさに注目をして実験圃場にこの地を選び、長野市と共同で数年前から進められているプロジェクトがあります。

先日そのプロジェクトの収穫祭に参加させて頂きましたが、今後の中山間地で増加傾向にある耕作放棄地への対応やエネルギー問題、近隣地区内での資源の循環等の点から、とても魅力な取組み感じましたのでこの機会にご紹介させていただきます。

信州大学・長野市共同プロジェクト
長野市耕作放棄地等における「ソルガムきび」活性調査共同事業



「ソルガムきび」って?
ソルガムきびは、イネ科の穀物で「モロコシ」「タカキビ」「コーリャン」などとも呼ばれています。子実は食物に、茎葉はキノコの培地に、使用後の培地はメタン発酵によるエネルギーになるなど、多段階の活性が可能な資源作物で、乾燥に強く成長力が高いため、省力栽培が可能です。

また、ソルガムきびの実はアレルギー物質を含まず、ポリフェノールやGABA(ギャバ)といった高機能性物質が豊富な健康食品としても活用が期待されています。そこで、ソルガムきびの活用による新たな事業モデルの創出を目指し、信州大学と長野市は共同で本調査事業に取り組んでいます。

ソルガムきびの特長
➀ノンアレルゲン
23品目のアレルゲン物質を含まない夢の穀物です。GABA(ギャバ)やポリフェノールも含む栄養価の高い機能性を持ち、小麦アレルギー等に悩む未来の子どもたちの救世主になるかもしれません。

②穀物利用
いわゆる雑穀として、お米と一緒に炊き込んだり、クスクスのようにサラダにも使えます。外皮に栄養がたくさんあり、全粒粉として利用することも考えられます。

③穀物利用
さまざまな穀物料理に展開可能です。揚げ物に使うとカラっと揚がります。ただし、グルテンを含まないことで粘着性が少なく、「つなぎ」に工夫が必要になります。

(上記の図、文章は信州大学の長野市耕作放棄地等におけるソルガムきび活性調査共同事業のWEBサイト及びパンフレットより)

★長野市耕作放棄地等におけるソルガムきび活性調査共同事業のWEBサイト

キビは七二会地区の在来種のものとF1のものが同じ圃場内に植えられており、生育状況の違いが一目瞭然でわかり、それも良き学びとなりました。


種子がF1化されたキビ。生育状況が均一で機械での収穫が効率的になります。


在来種のキビ。高さや実にバラつきがありますがより自然に近いものはこちらです。


イネ科のため茎葉がしっかりしており緑肥としても優秀ではないかと思います。


様々なキビが実験栽培されているようで品種によっても栄養価が異なるそうです。

こちらはソルガムきびを活用した加工品「ソルガムビール」。ビールにもなるのか!と驚きましたが、よく考えればビールは一般的には麦芽とホップから作られる訳なので納得しました。



その他、ソルガムの加工品や利用はコンペも開催されており、より魅力・価値を高める取り組みがされています。

★「ソルガムきびの魅力を探る」WEBサイトはこちらから

戸隠では今は紅葉シーズン、朝の冷え込みはかなり厳しくなってきており、直に冬がやってくる気配がしています。農閑期と言われる時期もすぐそこまで来ています。この間に来年の栽培方針・計画を考え、雪解けと共にすぐに動いていきたいと思っています。

その中で同じような標高地である七二会での今回の事例を見れたことはとても役に立ちました。雑穀自体に以前から栄養価の面で惹かれていましたし、それが地域活性に繋がっていくプロセスを理解できたことでソルガムを含む雑穀類の栽培に一層の魅力を感じています。

〔参考文献〕
(※1箇所)「育てて楽しむ 雑穀 栽培・加工・利用」より引用・転載)

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もともと味噌納豆などの発酵食が大好きな私はすっかりその味わい深さ、奥深さに魅了され、ここ2年ほど手前味噌づくりをおこなっています。

写真は今年の2月、室内でも2~3度という寒い中で仕込んだ味噌を天地返ししている様子です。久しぶりに容器のふたを開けてみると、ふわっと発酵途中の味噌独特の香りが部屋中にただよい、この時点ですでに食欲がかき立てられました。

しかしながら、雑菌が混入したのか、上蓋と側面に青カビが少々ついていました。綺麗に取り除き、木べらで丁寧にかき混ぜておきました。発酵と腐敗は表裏一体の現象、少々カビが出るくらいはあまり気になりません。

味見をしたところ、発酵度合がまだ足りず、しょっぱすぎる印象です。味噌の発酵の最適期間は地域・環境によってそれぞれだと思いますが、家で手軽にできる手前味噌だと、おおよそ10~12カ月くらいが丁度良いそうです。あと3~4カ月くらいでしょうか。




原料の大豆はその硬さゆえに内側のエネルギーの高さを感じます。


味噌汁は日本人のソウルフード!パワーが漲るので毎日食べています。

ここ長野県は信州・発酵食文化がさかえてきた地であり、長寿県とも言われています。

長寿の秘訣は何か?に迫る書籍は多く、共通している内容の一つに「発酵食を他県以上に摂取しているから」という見解があります。

健康で長寿は誰もが願っていることですし、近年ますます海外からも発酵食が注目されています。せっかく長野県に住んでいるので、今回は発酵食・味噌のリサーチ内容をベースにその魅力をご紹介したいと思います。

➀味噌はどういう種類があるのか?
1.米味噌
大豆に米麹、塩を加えてつくる味噌です。国内生産量の80%を占めます。米麹の比率が高いものは甘味噌、低いものは辛味噌と呼ばれます。

ちなみに私の仕込んでいる味噌もこの米味噌です。無農薬大豆・良質の玄米麹を原料にして作ったのですが、原料は創業100年以上のマルカワ味噌さんの通販で購入させていただきました。「土からこだわって良質の大豆を栽培し原料とする」という味噌造りへの想いに共感し2年連続で原料を求めています。

2.豆味噌
蒸し大豆を直接麹にしたものと塩を合わせて長期熟成させます。濃厚なうま味とかすかな渋味があり、主に愛知・三重・岐阜で造られています。

3.麦味噌
大豆、麦麹、塩で造るみそ。農家が自家用にしていたことから「田舎みそ」の別名もあります。バランスのとれた奥深い味わいが特徴です。

お味噌は大きく分けるとこの3種類になるかと思います。

②日本は発酵食の宝庫と良く言われるけど実際はどんな種類?
夏に高温多湿となる日本は発酵に適した気候に恵まれており、カビ・菌は水分や湿度があるところで繁殖するため、日本では発酵食文化が発達し、世界でも有数の発酵大国になったようです。

1.酵母菌(アルコール発酵を行う菌類のひとつ)
ワイン、ビール、パンなど

2.細菌(分解して作り出すものの名前がその細菌につけられることが多い。例えば納豆菌など)
キムチ、納豆、ナチュラルチーズ、ヨーグルトなど

3.カビ(発酵に使われるカビには麹菌や白カビ、青カビなどの種類がある)
かつお節、甘酒など

○みりん、焼酎・・・酵母&カビ
○果実酢・・・酵母&細菌
○味噌、日本酒、穀物酢、醤油・・・酵母&カビ&細菌





発酵食は日本独自のものではなく、パンやヨーグルトなどは海外から伝えられたものですし、他にも私たちの食生活の中に取り入れられているものもあります。

気候風土や生態系の違いによって微生物の種類も異なってくるようです。これが大きな要素となり、世界中には多種多様な発酵食品が生み出されてきました。雨が多いモンスーン気候のアジアと違いヨーロッパは乾燥した気候なので、カビを利用した発酵食品は少ないのですが、フランスの白カビを利用して作ったカマンベールチーズは有名です。ブルーチーズはロックフォルテという青カビが発酵・熟成に欠かせず、このカビがブルーチーズ独特の風味や味わいを生むそうです。



アジアだと、小魚を塩漬けにして発酵させたタイのナンプラー(漁醤)が有名です。ベトナムにはニョクマム、ラオスにはナンパ―という漁醤もあるそうです。またイタリアのアンチョビも比較的身近にある海外の発酵食かと思います。

③発酵食の持つ力について
ここが一番気になるところです。発酵食の力は大きく4つに分かれそうです。

1.腐りにくさ(=保存が良くきく)
冷蔵庫がまだない時代には、発酵食品が保存食の重要な位置を占め、優れた貯蔵方法として人々が工夫し行ってきました。

2.栄養価が高くなる
発酵という現象は微生物の働きですが、微生物は増殖をしながら、生命を次世代にバトンタッチしていくために栄養素を自ら作り出し、子孫に届けるそうです。この栄養素を発酵食と共に私たちも頂くわけで、人間の身体の中に住む微生物も喜び相乗効果で栄養価がさらに高まるのではないでしょうか。

3.味と匂いの良さ
発酵の前後では香りが全く異なります。人によって好き嫌いはあるにせよ、良質な発酵状態の香りは食欲もそそられることながら、生命も喜ぶ香りだと思います。

4.人工放射能の分解・排出を促進させる
人工放射能による被爆テストで、味噌や醤油などの発酵食を食べることによって体内の残留放射性物質の排出が高まるという結果は食や環境問題に関心が高い方の間ではよく知られています。興味深いのは味噌の摂取により、細胞自体の再生スピードも飛躍的に高まることです。

味噌のパワーは本当に高く、朝と夜に1杯ずつ豆腐の味噌汁を飲めば、現代人が1日に必要とするたんぱく質を摂取できるというデータもあります。しかも、肉や魚などの動物性たんぱく質よりも効率的に多く摂取できるそうです。

全国の味噌の生産量という点から見ると長野県がダントツであり次に愛知県、群馬県へと続きます。

1位 長野県 20,817 t
2位 愛知県 3,504 t
3位 群馬県 2,712 t

4位 北海道 2,343 t
5位 大分県 1,759 t
6位 山梨県 1,258 t
7位 広島県 973 t
8位 京都府 965 t
9位 徳島県 946 t
10位 富山県 763 t
(出典:食糧醸界新聞 2014年データ)

ちなみに九星気学では私は本命星・月命星ともに五黄土星であり、ある人からは「五黄土星は発酵がキーワードだから、発酵食が向いていますよ」と言われたこともあります。発酵食自体がとても好きなので、関わっていく中で良い流れが出来ていけばと思います。

さて、私の畑の大豆ですが、ここ数日続く大雨で葉っぱが少々下降気味ですが、順調に鞘は膨らんできています。ただ6月に直播きをした際、畝幅の最適な距離がわからず、今年は密集しすぎてしまった感があり、残念ながら一部の大豆が倒れてしまいました。来年に向けて要改善です!



戸隠での農業開始当初から、自分で作った安心・安全な無農薬大豆を使い、標高800mの冷涼地にて戸隠山からの伏流水を活用した寒仕込み味噌を作りたい!という想いで大豆を育ててきました。今年は収穫できた分だけでも良いので、自分なりのこだわりの味噌を仕込みたいと思っています。

◎参考文献
「図解でよくわかる 発酵のきほん」 舘博著 誠文堂新光社
「素材よろこぶ 調味料の便利帳」 高橋書店
「信州の発酵食」 小泉武夫・横山タカ子著 しなのき書房

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6月上旬に大家さんからいただいた青梅で美味しい梅干しが出来ました!



やはり手間暇かけた自家製の梅干しは最高に美味しいです^^

気持ちや想いが入っているとより一層そうなります。すでにご飯のお供や先週体調を崩してしまった時にお湯に溶かして飲んだりと活躍してくれています。



丁寧にとなりとくっつかないように並べて干しました(8月上旬)



虫ガード付きの便利なザルが戸隠では大活躍!



透明なビンに入れてディスプレイとしても楽しめるように保存^^

移住した今年は梅干しづくりまで手が回らないと思っていましたが、頂きものがあったお蔭で作ることができました。ちなみにこの梅干しの約2割は庭の梅の木からとったものも混ざっていて自然の恵みに感謝です。

“梅は三毒を絶つ”とよく言われますが、それは「食べもの」「血液」「水」に含まれている毒のことを言い、梅を食べていればこれらの3つの毒から守られるという意味です。梅の持つ優れた効能を示す言葉で日本の食文化水準の高さを物語っていると思います。

これは聞いた話しなのですが、梅にまつわる面白い伝承をご紹介します。

古来の日本で疫病が蔓延した時代があったそうで、時の天皇が庶民に梅干しを食べて治すようにと言ったそうです。それで食べてみると効果テキメン、救われた民も多かったと。さらに興味深いのは、その年が今年と同じ申年だったということで、ある地方の人々の間では申年の梅は特に病気に効果が期待できる特別な力を持っていると信じられているそうです。

梅干しはそのものをご飯と頂くだけで十分美味しいですが、料理にも大活躍してくれます。

例えば以前から好んでよくする料理として、梅の冷製パスタ^^
オリーブオイルと野菜数種を使い、少々の塩分と梅の果肉・梅酢で味付けをすれば、暑い夏に清涼感あるシンプルでも美味しいパスタができます。

他にはオクラと梅干しの和え物小松菜の梅肉和ええのきの梅肉和え大根サラダに梅のたたきを乗せても美味しいです^^

まだ食べたことはないですが、豆腐田楽に梅味噌ひじきの梅白(梅干し&豆腐)和えも良い組み合わせだそうです。美味しそう~!

そういえば、今年は去年から使っているホームセンターで購入した竹ザルを使っていますが、来年はせっかく戸隠に住んでいるので、伝統工芸品であるネマガリダケの竹細工を使ってみたいと思っています^^

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微生物の力≒発酵力⇒健康力アップを目指し、約2年前からぬか床をこしらえています^^

今は時期的にキュウリやナス、インゲンなどの夏野菜を中心にぬか入れしていますが、ペースが早いので、ややぬか床の旨味が減退してきたように感じました。



そこで、直感的に玄米と干し椎茸を入れたら、旨味が回復するのでは?と思い、早速試してみました。

するとびっくり!入れて間もなく、発酵がどんどん進行しているようで、数時間後にかなりの発熱が感じられ、容器の外側が生温かく、フタを開けると、発酵した少々酸味がかったフルーティーな香りと共にモワっとした温かみも感じました。

発酵作用≒微生物活動は本当に面白いですね~。ますますその魅力に引き込まれました。

明日の朝食でキョウリのぬか漬けを食べるのが楽しみです^^
旨味が回復すると良いな~。

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プロフィール
水谷翔(地域おこし協力隊 戸隠地区)
水谷翔(地域おこし協力隊 戸隠地区)
三重県桑名市生まれ。
2016年5月、長野北部・戸隠に移住し農業に取り組んでいます。
戸隠は3つの巨大な活断層に囲まれたフォッサマグナ地帯であり、火山灰土+海底隆起の肥沃な土壌が魅力的です。
無農薬・有機栽培・標高850m。
高原花豆・果菜類に力を入れています。

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