2018/11/02
>>ブログのリニューアルに伴い移転いたします<<
地に響く EARTH RESONANCE
ここのえブログ こちらから
URLは以下となります。
https://blog.togakushikokonoe.com/
長い間、ご愛読をいただき、誠にありがとうございました。
新ブログでも地域の魅力をはじめ、農と食について情報発信をしていく予定です。
引き続き、どうぞお付き合い頂ければ幸いです。
地に響く EARTH RESONANCE
ここのえブログ こちらから
URLは以下となります。
https://blog.togakushikokonoe.com/
長い間、ご愛読をいただき、誠にありがとうございました。
新ブログでも地域の魅力をはじめ、農と食について情報発信をしていく予定です。
引き続き、どうぞお付き合い頂ければ幸いです。
(*本記事は長野市地域おこし協力隊ブログに2018/8/24にご掲載いただいたものの転載です)
(※ブログ名称を「ここのえ是好日」に変更いたしました。開業に伴い、名称を統一化します)
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"北信州戸隠 さといの亰(くに) ここのえ"
9/4 NEW OPEN 戸隠豊岡
農家民泊・農cafe・ビオファーム
ホームページはこちらから
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構想1年弱、制作に入って数カ月、出来立てホヤホヤのホームぺージが誕生しました。
数々のご縁と絶妙なシンクロの交わり、夢と期待と情念を込め、長野市のクリエイティブデザインのプロ集団に具現化していただきました。
ぜひ一度ご覧ください。
戸隠。
日本有数の活断層に囲まれたフォッサマグナ地帯。標高約600~1,300mにまたがります。切り立った岩肌が特徴的な戸隠山は、遥か古代、海底隆起によって誕生した場所です。
冬の雪に覆われた峻厳な姿は神々しく圧巻。その麓の奥社参道には、巨大杉が約1kmにわたって立ち並び、年間を通じて多くの観光客が訪れます。
信仰の側面から見れば、鎌倉時代には、高野山、比叡山と肩を並べる修験道の霊場として栄えました。
「戸隠は力強い大地のポテンシャルに溢れている――。歴史と物語が古くから伝わるこの場所で農業に取り組んだら、どれだけ面白いことだろう」
これが原点のインスピレーションです。
移住間もなく、農業に着手。
右も左も暗中模索の中、キラリと光る輝きを感じた高原花豆。花豆に希望を抱き、途方もない作業量に思えた耕作放棄地の再生に取り組み、規模を拡大し、栽培に臨んだ2年目。
その花豆は食材の大舞台の築地市場へ。豆・雑穀卸問屋の社長さまに応援いただき、収穫・納品に至りました。その間、貴重な多くのご縁をいただきました。
有機野菜を美味しく元気になると言って求めて下さる方々の存在。
農地のご紹介者と心よくお貸しくださった地権者の方の存在が大きかったことは言うまでもありません。
それから私たちは考えました。
どうすればこの感動的な戸隠のパワーや魅力をもっと知っていただけるか。
でも、ヒントはすぐ足元にありました。
移住間もなく、農家民泊を地元企業の社長さまからのご紹介でさせて頂く機会を得ました。
これも人との繋がり。絶妙なタイミングでした。
小学生、中学生、短大生。誰が来ても自然と触れ合い感動する姿。笑顔と活気が生まれます。新鮮野菜を一緒に料理することで美味しさはさらに倍増しました。
土の上で生まれる共感・共鳴・共体験。
この感動的な時間とエネルギーは、むしろ大人の方々にも味わっていただきたい。SNSからリアクションを頂く言葉からもそう思われました。
そして、昨年末から動き始めました。
民泊新法による許可取得に向けて。
膨大な事務処理が必要でしたが、何度もやりとりを行い、足を運んで進めてくれた嫁さん、お蔭様で長野で第1号の許可取得が実現しました。
同時に、せっかくなら私たちで手間暇かけて育てた有機野菜や戸隠の地のものを使ったお料理をお出しさせていただきたいと思いました。
キッチンを改装し、飲食店営業の認可が厳しいと言われる長野市保健所の審査も無事クリアしました。
関係する公的機関のご担当者さま方々や厨房業者の方々にも恵まれ、後押しをしていただきました。何と言っても大家さんの寛大なご理解に大きくフォローされました。
次は実際の営業に向けたお店づくり。
ここでも人の繋がりに大いに助けられました。
地元の方々が10名近くも手伝いに来てくださる日があったり、頑張れ!とエールを送ってくださる若手の皆さん、民泊やカフェがオープンしたら行くよ!と言って下さった沢山の方々。
少しずつ具現化に向けて動いてきました。
そして、この4月からの数カ月。信州大学大学院でミクロな微生物の世界を専門的に探求を始めました。
高度な専門知識と広範な視野を持つ先生方から生命科学の先端研究を教わり、驚きと感動の連続です。
私たちは本当に凄い時代に生きています。
昨年は同大学院主催の加工品講座で発酵や酵素のメカニズムや加工品製造のメソッドを実験・試作を通じて学ばせていただきました。
それらは、戸隠で触れ学んできた伝統食と伝統農法の世界を鮮やかに染めはじめ、農cafeや民泊でのお食事づくりのワクワク感をより一層高めました。
原始的な仕事である食と農は、生命科学の先端知識と結びつくことで何倍も魅力が増し、かつての日本で行われていた農法が、いかに循環の理に則しているものかと、改めて驚きました。
地球上の生命を育む礎となる土壌。
土壌は生命現象の宝庫であり、非常に複雑な生命システムを構成する有機的存在。
土に触れると安心し、還る場所もまた土。
これを思う時、中山間地の農家たちの、土に敬意を持って耕作する里山暮らしの哲学に共鳴できた気がしました。
古くから積み上げられてきた技法・習俗・文化。
目には見えないけれども、里山の持つ大きなポテンシャルであり、可能性に違いないと実感を強めました。
戸隠や中山間地域の先人達が築いた多くの素晴らしい「智慧(さとい)」を感じ、中と外を繋ぐ、人が集う「亰(くに)」を目指し、ご縁を大切にしたい気持ちを込めて「ここのえ」。
移住前、戸隠に訪れたある冬の夜。
戸隠連峰の上で、ひと際目立っていた天体、それは北斗七星と北極星でした。
導きの天体。古くから日本人が敬意を払ってきた天体。
それが「ここのえ」と「北」のデザインに込められています。
いにしえから続く知恵の結晶・結実と体現を未来に見据えて。
新始動いたします。
応援のほど、よろしくお願いいたします。
(※ブログ名称を「ここのえ是好日」に変更いたしました。開業に伴い、名称を統一化します)
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"北信州戸隠 さといの亰(くに) ここのえ"
9/4 NEW OPEN 戸隠豊岡
農家民泊・農cafe・ビオファーム
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構想1年弱、制作に入って数カ月、出来立てホヤホヤのホームぺージが誕生しました。
数々のご縁と絶妙なシンクロの交わり、夢と期待と情念を込め、長野市のクリエイティブデザインのプロ集団に具現化していただきました。
ぜひ一度ご覧ください。
戸隠。
日本有数の活断層に囲まれたフォッサマグナ地帯。標高約600~1,300mにまたがります。切り立った岩肌が特徴的な戸隠山は、遥か古代、海底隆起によって誕生した場所です。
冬の雪に覆われた峻厳な姿は神々しく圧巻。その麓の奥社参道には、巨大杉が約1kmにわたって立ち並び、年間を通じて多くの観光客が訪れます。
信仰の側面から見れば、鎌倉時代には、高野山、比叡山と肩を並べる修験道の霊場として栄えました。
「戸隠は力強い大地のポテンシャルに溢れている――。歴史と物語が古くから伝わるこの場所で農業に取り組んだら、どれだけ面白いことだろう」
これが原点のインスピレーションです。
移住間もなく、農業に着手。
右も左も暗中模索の中、キラリと光る輝きを感じた高原花豆。花豆に希望を抱き、途方もない作業量に思えた耕作放棄地の再生に取り組み、規模を拡大し、栽培に臨んだ2年目。
その花豆は食材の大舞台の築地市場へ。豆・雑穀卸問屋の社長さまに応援いただき、収穫・納品に至りました。その間、貴重な多くのご縁をいただきました。
有機野菜を美味しく元気になると言って求めて下さる方々の存在。
農地のご紹介者と心よくお貸しくださった地権者の方の存在が大きかったことは言うまでもありません。
それから私たちは考えました。
どうすればこの感動的な戸隠のパワーや魅力をもっと知っていただけるか。
でも、ヒントはすぐ足元にありました。
移住間もなく、農家民泊を地元企業の社長さまからのご紹介でさせて頂く機会を得ました。
これも人との繋がり。絶妙なタイミングでした。
小学生、中学生、短大生。誰が来ても自然と触れ合い感動する姿。笑顔と活気が生まれます。新鮮野菜を一緒に料理することで美味しさはさらに倍増しました。
土の上で生まれる共感・共鳴・共体験。
この感動的な時間とエネルギーは、むしろ大人の方々にも味わっていただきたい。SNSからリアクションを頂く言葉からもそう思われました。
そして、昨年末から動き始めました。
民泊新法による許可取得に向けて。
膨大な事務処理が必要でしたが、何度もやりとりを行い、足を運んで進めてくれた嫁さん、お蔭様で長野で第1号の許可取得が実現しました。
同時に、せっかくなら私たちで手間暇かけて育てた有機野菜や戸隠の地のものを使ったお料理をお出しさせていただきたいと思いました。
キッチンを改装し、飲食店営業の認可が厳しいと言われる長野市保健所の審査も無事クリアしました。
関係する公的機関のご担当者さま方々や厨房業者の方々にも恵まれ、後押しをしていただきました。何と言っても大家さんの寛大なご理解に大きくフォローされました。
次は実際の営業に向けたお店づくり。
ここでも人の繋がりに大いに助けられました。
地元の方々が10名近くも手伝いに来てくださる日があったり、頑張れ!とエールを送ってくださる若手の皆さん、民泊やカフェがオープンしたら行くよ!と言って下さった沢山の方々。
少しずつ具現化に向けて動いてきました。
そして、この4月からの数カ月。信州大学大学院でミクロな微生物の世界を専門的に探求を始めました。
高度な専門知識と広範な視野を持つ先生方から生命科学の先端研究を教わり、驚きと感動の連続です。
私たちは本当に凄い時代に生きています。
昨年は同大学院主催の加工品講座で発酵や酵素のメカニズムや加工品製造のメソッドを実験・試作を通じて学ばせていただきました。
それらは、戸隠で触れ学んできた伝統食と伝統農法の世界を鮮やかに染めはじめ、農cafeや民泊でのお食事づくりのワクワク感をより一層高めました。
原始的な仕事である食と農は、生命科学の先端知識と結びつくことで何倍も魅力が増し、かつての日本で行われていた農法が、いかに循環の理に則しているものかと、改めて驚きました。
地球上の生命を育む礎となる土壌。
土壌は生命現象の宝庫であり、非常に複雑な生命システムを構成する有機的存在。
土に触れると安心し、還る場所もまた土。
これを思う時、中山間地の農家たちの、土に敬意を持って耕作する里山暮らしの哲学に共鳴できた気がしました。
古くから積み上げられてきた技法・習俗・文化。
目には見えないけれども、里山の持つ大きなポテンシャルであり、可能性に違いないと実感を強めました。
戸隠や中山間地域の先人達が築いた多くの素晴らしい「智慧(さとい)」を感じ、中と外を繋ぐ、人が集う「亰(くに)」を目指し、ご縁を大切にしたい気持ちを込めて「ここのえ」。
移住前、戸隠に訪れたある冬の夜。
戸隠連峰の上で、ひと際目立っていた天体、それは北斗七星と北極星でした。
導きの天体。古くから日本人が敬意を払ってきた天体。
それが「ここのえ」と「北」のデザインに込められています。
いにしえから続く知恵の結晶・結実と体現を未来に見据えて。
新始動いたします。
応援のほど、よろしくお願いいたします。
2018/04/27
(*本記事は長野市地域おこし協力隊ブログに2018/4/20にご掲載いただいたものの転載です)
迫力の戸隠山を一望し、流れる雲、澄み渡る空気、小川の流れが聞こえる自然豊かな環境の中で存分にエネルギーチャージをしていただきたい、そのための最適な方法は何か?
その答えの一つとして、農家民泊は素晴らしい取り組みだと思います。
私が戸隠に移住し、もうすぐ2年となります。移住早々に農家民泊と農業体験事業のことを知り、「水谷さんもチャレンジしてみては?」とご紹介を頂いた経緯で、これまでに斡旋団体様から20回ほど受入れをさせて頂いてきました。
小学生、中学生、短大生と年齢層は様々ですが、土に触れ、採れたての野菜を食し、風光明媚な山々の姿を見て、感動してくれました。都会育ちの子供や学生さん達から現場で自然と出てくる言葉の数々には、むしろこちらが勉強と刺激になることが多く、戸隠の自然のポテンシャルの大きさへの認識を強めました。
その様子をFacebookやブログなどのSNSで綴っていたのですが、予想以上に都市部で仕事・生活する友人・知人から、「農家民泊に行ってみたい!」「興味がある!」と嬉しいリクエストを頂き始めました。
・私達の世代、30代前半の人たちは今、何を感じ、生きているのか?
・何に遣り甲斐を見出し、どういう目標を持って過ごしているのか?
・「働き方、生き方への再考、日本人の原点は何か?」をテーマにした書籍や講演が数多く存在しているが、その源流は一体何だろうか?
・人は時として自然に原点回帰を求める衝動を持つが、自然が持っている力の正体とは一体何か?
・自然の持つ何が人に感動を与え、気づきをもたらしてくれるのか?
大企業や商社に入り世界中を股にかけて活躍している友人がいます。20代で起業して、相当な苦労と壁を乗り越え、可能性の幅を拡げ、大きなプロジェクトに奮闘する先輩がいます。小さな会社・組織でも誇りを持って仕事に取り組む学生時代からの仲間がいます。芸術、音楽の世界で開花した後輩がいます。子供を授かり、幸せそうな近況を知らせてくれる家族がいます。家族を持ち、支えるために毎日夜遅くまで働く知人は数え切れません。円熟な年齢をむかえ、奉仕活動に精を出す尊敬すべき人がいます。働くことを指導し、育ててくれた忘れられない上司の方々がいます。
それぞれの分野・フィールドで活動する人達が尽くせる限りのエネルギーを持って取り組む姿から私も刺激をもらいつつ、戸隠に来た原点を忘れてはいけない、移住した自分に出来ることは何か、どういう価値を生み出していけば、さらに面白くなって行くのか、移住後、毎日問答を繰り返してきました。
それが、農家民泊という仕組みで集約されてきている感触を最近持っています。
"時に言葉で語り尽くすことが難しくも、一瞬にして人に感動・驚き・気づきを与えてくれる自然界の力をお借りさせて頂こうと思う。訪れる方々の憩いの場、エネルギーチャージのきっかけ、新たな発見に満ちた場所を目指したい"
昨年末から許可申請のために動きはじめ、先日一般向けの農家民泊の営業許可を取得いたしました。正式な営業は6月15日から可能となります。私の嫁さんが積極的に動いてくれたお蔭で長野で電子申請による第一号となることが出来ました。感謝。
高原花豆栽培によって戸隠での農業と自然のポテンシャルを存分に実感し、その感動をさらに多くの方々とシェアさせて頂きたいーその手段の一つとしての農家民泊、魅力的な価値・サービスをご提供させて頂けますよう準備を進めてまいりたいと思います。
今後もどうぞ宜しくお願いいたします。
★自然写真は4月上旬の戸隠です
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迫力の戸隠山を一望し、流れる雲、澄み渡る空気、小川の流れが聞こえる自然豊かな環境の中で存分にエネルギーチャージをしていただきたい、そのための最適な方法は何か?
その答えの一つとして、農家民泊は素晴らしい取り組みだと思います。
私が戸隠に移住し、もうすぐ2年となります。移住早々に農家民泊と農業体験事業のことを知り、「水谷さんもチャレンジしてみては?」とご紹介を頂いた経緯で、これまでに斡旋団体様から20回ほど受入れをさせて頂いてきました。
小学生、中学生、短大生と年齢層は様々ですが、土に触れ、採れたての野菜を食し、風光明媚な山々の姿を見て、感動してくれました。都会育ちの子供や学生さん達から現場で自然と出てくる言葉の数々には、むしろこちらが勉強と刺激になることが多く、戸隠の自然のポテンシャルの大きさへの認識を強めました。
その様子をFacebookやブログなどのSNSで綴っていたのですが、予想以上に都市部で仕事・生活する友人・知人から、「農家民泊に行ってみたい!」「興味がある!」と嬉しいリクエストを頂き始めました。
・私達の世代、30代前半の人たちは今、何を感じ、生きているのか?
・何に遣り甲斐を見出し、どういう目標を持って過ごしているのか?
・「働き方、生き方への再考、日本人の原点は何か?」をテーマにした書籍や講演が数多く存在しているが、その源流は一体何だろうか?
・人は時として自然に原点回帰を求める衝動を持つが、自然が持っている力の正体とは一体何か?
・自然の持つ何が人に感動を与え、気づきをもたらしてくれるのか?
大企業や商社に入り世界中を股にかけて活躍している友人がいます。20代で起業して、相当な苦労と壁を乗り越え、可能性の幅を拡げ、大きなプロジェクトに奮闘する先輩がいます。小さな会社・組織でも誇りを持って仕事に取り組む学生時代からの仲間がいます。芸術、音楽の世界で開花した後輩がいます。子供を授かり、幸せそうな近況を知らせてくれる家族がいます。家族を持ち、支えるために毎日夜遅くまで働く知人は数え切れません。円熟な年齢をむかえ、奉仕活動に精を出す尊敬すべき人がいます。働くことを指導し、育ててくれた忘れられない上司の方々がいます。
それぞれの分野・フィールドで活動する人達が尽くせる限りのエネルギーを持って取り組む姿から私も刺激をもらいつつ、戸隠に来た原点を忘れてはいけない、移住した自分に出来ることは何か、どういう価値を生み出していけば、さらに面白くなって行くのか、移住後、毎日問答を繰り返してきました。
それが、農家民泊という仕組みで集約されてきている感触を最近持っています。
"時に言葉で語り尽くすことが難しくも、一瞬にして人に感動・驚き・気づきを与えてくれる自然界の力をお借りさせて頂こうと思う。訪れる方々の憩いの場、エネルギーチャージのきっかけ、新たな発見に満ちた場所を目指したい"
昨年末から許可申請のために動きはじめ、先日一般向けの農家民泊の営業許可を取得いたしました。正式な営業は6月15日から可能となります。私の嫁さんが積極的に動いてくれたお蔭で長野で電子申請による第一号となることが出来ました。感謝。
高原花豆栽培によって戸隠での農業と自然のポテンシャルを存分に実感し、その感動をさらに多くの方々とシェアさせて頂きたいーその手段の一つとしての農家民泊、魅力的な価値・サービスをご提供させて頂けますよう準備を進めてまいりたいと思います。
今後もどうぞ宜しくお願いいたします。
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2018/01/15
(*本記事は長野市地域おこし協力隊ブログに2018/1/10にご掲載いただいたものの転載です)
新しい年が明けて早10日、昨年は戸隠の地元の方々をはじめ、農業を応援して下さった方々、サポートの方々、本当に多くの方のご支援のもと、活動を進めることができました。誠にありがとうございます。本年も精一杯取り組んで参ります。
さて、今年の農業はブラッシュアップの1年と考え、特に微生物の世界の探求を目指します。冬の農閑期は次年度に向けて英気を養い、振り返り、計画を立てる大切な時間です。圃場で取り組みたい具体的なアイデアも練っていきます。
長野北信の有機農家の大先輩と南信で取り組む同世代の尊敬する友人から推薦してもらった書籍「土と内臓―微生物がつくる世界」。半分ほど読んだところですが、もの凄く面白く、止まりません。
デイビッド・モンゴメリー+アン・ビクレー著 片岡夏実訳 築地書館
微生物というと馴染みが薄いという人も多いことかと思いますが、私達がメインで取り組む高原花豆は成長に不可欠な元素である窒素を微生物が大気中から供給してくれるお蔭で生育が促されます(根粒菌の窒素固定)。昨年、厳密な検査・分析までは出来ないにしても、視覚で確認できるほどの菌叢が無数に誕生していました。
中央上部が花豆の茎。周囲の地表面のつぶつぶが微生物(根粒菌)の菌叢です。
掘り返した根にも根粒菌の菌叢が沢山ついています。花豆はマメ科です。
同じようにトマト、ピーマン、ナス等の果菜類、ダイコン、ニンジン、ゴボウ等の根菜類、チンゲン菜、ホウレン草等の葉野菜も全て微生物が成長促進に一躍を担っています。
トマトの根にも根粒菌の菌叢が見られました。
同じくナス科のピーマンにも菌叢が見られました。
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
微生物は地球上でもっとも数が多く、もっとも広く分布し、もっとも繁栄している生物だ。骨が化石記録として残っている生物種の99%は、時の試練に耐えられず絶滅している。ところが微生物は、生命が誕生したときから、36億年以上生き残っている。その短い寿命を考えれば、ざっと計算して800兆世代を経ている。
地球上には10の30乗個の微生物がいると推定される。100穣個だ。1のあとにゼロが30個ー1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000ーつく。1個1個の微生物じゃ小さすぎて見えないが、全部1つながりにすると1億光年の長さになる。夜空に見えるもっとも遠くの星までの距離を超えている。地球上の微生物は、既知の宇宙にある星の数より100万倍以上多い。一握りのよく肥えた土の中には、アフリカ、中国、インドに住む人間の合計より多くの細菌がいる。そして全体で、微生物は地球上に棲む生物の重さの半分を占めると推定される。
重要なのは、微生物が生命維持に必要なアミノ酸を作るのに欠かせない大気中の窒素を捕えていることだ。それが土壌を肥沃に保つ自然のメカニズム、地球の窒素循環を動かしているのだ。岩石に含まれる窒素の濃度には、花崗岩のようにほんのわずかなものからある種の堆積岩のように生物が利用できるレベルまで大きな幅がある。地質年代を通じて、有機物中のほとんどすべての窒素ー単純なタンパク質から、われわれすべてを支配する分子DNAまでーは微生物を介して生物圏に入った。
人間は岩を食べることができないが、私たちの身体は岩に由来する栄養素でできている。岩を分解して成分を抽出し、生物的循環に乗せる上で、微生物は重要な役割を果たす。また、動物は、昆虫のほとんどすべてを含め、きわめて安定して分解しにくい分子であるセルロースでできた植物質を、実は消化できない。セルロースはこの世界で一番手に入りやすい食物源(そしてエネルギー源)だが、それを分解するという困難な作業を、動物は腸内に棲む微生物に代わりにやってもらっているのだ。(本書より)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------
本書で強調されているのは、微生物の働きと共に土壌肥沃度についてです。「土にどれほど生命を育む力があるのか」ということです。肥沃度に富んだ土は病害虫の発生がほとんどなく、肥料も有機物を定期的に加えることで、良質な野菜収穫ができると指摘します。
これは私のような駆け出しの有機農法に取り組む人間でも、ずっと圃場で観察を続けていると体感的にわかってくる感覚でもあります。
「生命力に溢れた土とは何か?」
圃場でいつも考えているテーマです。
「生命力に溢れた土≒土壌肥沃度⇔微生物が積極活動できる環境」
微細領域まで定量的に分析をしようと思うと非常に難しく時間もお金もかかりますが、シンプルに考えれば案外回答を素直に導けそうな気がします。
微生物の世界を私達人間が生きている生活環境と相似的に考えれば良いのではないかと念頭に置いています。
「人はどうしたら生き生き溌剌と健康に過ごせるか?」
まずは食べ物であるに違いありません。それに住環境、温度、湿度、服装、飲み水、空気、運動、人間関係、家族、仕事、よく笑う、よく眠る、精神面etc,,,まだまだ沢山の要素がありますが、それらを振り返ることにヒントが沢山ある気がします。
人間にとってこの感触が良いな、心地良いなと思うことを、出来る限り微生物ならどうかと想像をして取り組んでみる、そういうアプローチも面白いのではと思います。
すると、
・有機堆肥作りのための最適な天然資材は何か?
・嫌気性か、好気性か、どちらで発酵を進めればよいか?
・有機肥料、液肥などの散布のタイミングは?
・種子の播種時期、苗の定植時期、生育中は何をすれば良いか?
・土は今何を欲しがっているのか?
といった現場感覚が自然と磨かれていっている気がして、こういう感触は感動的でもあります。
自然界が相手の農業はサイエンスに頼りすぎると、あれもこれもあまりにも複雑に見えすぎて、すぐにアクションが出来なくなってしまいますが、感覚・直観に従うスタンスを忘れなければ打ち手がワクワク感と共にドンドン湧いてきます。
逆に感覚頼りすぎると再現性に乏しく、相手に順序立てて説明できないのでやはりサイエンス、エビデンスの面から定量的なアプローチも大切かと感じます。
微生物は健全な土壌の圃場1反(約1,000㎡)に約700㎏も存在するそうです。彼らは四六時中活動を続け、常に土を豊かにしてくれるように活動しています。まさに小宇宙が足元に存在している感覚です。
残念ながら農薬やケミカル物質を土に使用することで有効な微生物は激減してしまいます。ということから、栄養供給を即物的に化成肥料に頼ることになります。
自然界のリズムの理解が進むほど、出来る限り、もともと自然界が持っている性質を活かせる方法で農業に取り組みたいという気持ちが高まります。ここがモチベーションの源泉でもあります。
上記の写真は今年度新しく取り組む圃場の写真です。雪に覆われていますが、日照時間が長く、戸隠連峰も見える風光明媚な場所です。
春になり作付けまでの間に構想が膨らみます。安心安全で栄養価豊富な野菜作りのために今年はどんなことにチャレンジしていけるか、そんなことを考えながら年末年始を過ごしました。
本年もどうぞよろしくお願いいします。
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新しい年が明けて早10日、昨年は戸隠の地元の方々をはじめ、農業を応援して下さった方々、サポートの方々、本当に多くの方のご支援のもと、活動を進めることができました。誠にありがとうございます。本年も精一杯取り組んで参ります。
さて、今年の農業はブラッシュアップの1年と考え、特に微生物の世界の探求を目指します。冬の農閑期は次年度に向けて英気を養い、振り返り、計画を立てる大切な時間です。圃場で取り組みたい具体的なアイデアも練っていきます。
長野北信の有機農家の大先輩と南信で取り組む同世代の尊敬する友人から推薦してもらった書籍「土と内臓―微生物がつくる世界」。半分ほど読んだところですが、もの凄く面白く、止まりません。
デイビッド・モンゴメリー+アン・ビクレー著 片岡夏実訳 築地書館
微生物というと馴染みが薄いという人も多いことかと思いますが、私達がメインで取り組む高原花豆は成長に不可欠な元素である窒素を微生物が大気中から供給してくれるお蔭で生育が促されます(根粒菌の窒素固定)。昨年、厳密な検査・分析までは出来ないにしても、視覚で確認できるほどの菌叢が無数に誕生していました。
中央上部が花豆の茎。周囲の地表面のつぶつぶが微生物(根粒菌)の菌叢です。
掘り返した根にも根粒菌の菌叢が沢山ついています。花豆はマメ科です。
同じようにトマト、ピーマン、ナス等の果菜類、ダイコン、ニンジン、ゴボウ等の根菜類、チンゲン菜、ホウレン草等の葉野菜も全て微生物が成長促進に一躍を担っています。
トマトの根にも根粒菌の菌叢が見られました。
同じくナス科のピーマンにも菌叢が見られました。
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微生物は地球上でもっとも数が多く、もっとも広く分布し、もっとも繁栄している生物だ。骨が化石記録として残っている生物種の99%は、時の試練に耐えられず絶滅している。ところが微生物は、生命が誕生したときから、36億年以上生き残っている。その短い寿命を考えれば、ざっと計算して800兆世代を経ている。
地球上には10の30乗個の微生物がいると推定される。100穣個だ。1のあとにゼロが30個ー1,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000ーつく。1個1個の微生物じゃ小さすぎて見えないが、全部1つながりにすると1億光年の長さになる。夜空に見えるもっとも遠くの星までの距離を超えている。地球上の微生物は、既知の宇宙にある星の数より100万倍以上多い。一握りのよく肥えた土の中には、アフリカ、中国、インドに住む人間の合計より多くの細菌がいる。そして全体で、微生物は地球上に棲む生物の重さの半分を占めると推定される。
重要なのは、微生物が生命維持に必要なアミノ酸を作るのに欠かせない大気中の窒素を捕えていることだ。それが土壌を肥沃に保つ自然のメカニズム、地球の窒素循環を動かしているのだ。岩石に含まれる窒素の濃度には、花崗岩のようにほんのわずかなものからある種の堆積岩のように生物が利用できるレベルまで大きな幅がある。地質年代を通じて、有機物中のほとんどすべての窒素ー単純なタンパク質から、われわれすべてを支配する分子DNAまでーは微生物を介して生物圏に入った。
人間は岩を食べることができないが、私たちの身体は岩に由来する栄養素でできている。岩を分解して成分を抽出し、生物的循環に乗せる上で、微生物は重要な役割を果たす。また、動物は、昆虫のほとんどすべてを含め、きわめて安定して分解しにくい分子であるセルロースでできた植物質を、実は消化できない。セルロースはこの世界で一番手に入りやすい食物源(そしてエネルギー源)だが、それを分解するという困難な作業を、動物は腸内に棲む微生物に代わりにやってもらっているのだ。(本書より)
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本書で強調されているのは、微生物の働きと共に土壌肥沃度についてです。「土にどれほど生命を育む力があるのか」ということです。肥沃度に富んだ土は病害虫の発生がほとんどなく、肥料も有機物を定期的に加えることで、良質な野菜収穫ができると指摘します。
これは私のような駆け出しの有機農法に取り組む人間でも、ずっと圃場で観察を続けていると体感的にわかってくる感覚でもあります。
「生命力に溢れた土とは何か?」
圃場でいつも考えているテーマです。
「生命力に溢れた土≒土壌肥沃度⇔微生物が積極活動できる環境」
微細領域まで定量的に分析をしようと思うと非常に難しく時間もお金もかかりますが、シンプルに考えれば案外回答を素直に導けそうな気がします。
微生物の世界を私達人間が生きている生活環境と相似的に考えれば良いのではないかと念頭に置いています。
「人はどうしたら生き生き溌剌と健康に過ごせるか?」
まずは食べ物であるに違いありません。それに住環境、温度、湿度、服装、飲み水、空気、運動、人間関係、家族、仕事、よく笑う、よく眠る、精神面etc,,,まだまだ沢山の要素がありますが、それらを振り返ることにヒントが沢山ある気がします。
人間にとってこの感触が良いな、心地良いなと思うことを、出来る限り微生物ならどうかと想像をして取り組んでみる、そういうアプローチも面白いのではと思います。
すると、
・有機堆肥作りのための最適な天然資材は何か?
・嫌気性か、好気性か、どちらで発酵を進めればよいか?
・有機肥料、液肥などの散布のタイミングは?
・種子の播種時期、苗の定植時期、生育中は何をすれば良いか?
・土は今何を欲しがっているのか?
といった現場感覚が自然と磨かれていっている気がして、こういう感触は感動的でもあります。
自然界が相手の農業はサイエンスに頼りすぎると、あれもこれもあまりにも複雑に見えすぎて、すぐにアクションが出来なくなってしまいますが、感覚・直観に従うスタンスを忘れなければ打ち手がワクワク感と共にドンドン湧いてきます。
逆に感覚頼りすぎると再現性に乏しく、相手に順序立てて説明できないのでやはりサイエンス、エビデンスの面から定量的なアプローチも大切かと感じます。
微生物は健全な土壌の圃場1反(約1,000㎡)に約700㎏も存在するそうです。彼らは四六時中活動を続け、常に土を豊かにしてくれるように活動しています。まさに小宇宙が足元に存在している感覚です。
残念ながら農薬やケミカル物質を土に使用することで有効な微生物は激減してしまいます。ということから、栄養供給を即物的に化成肥料に頼ることになります。
自然界のリズムの理解が進むほど、出来る限り、もともと自然界が持っている性質を活かせる方法で農業に取り組みたいという気持ちが高まります。ここがモチベーションの源泉でもあります。
上記の写真は今年度新しく取り組む圃場の写真です。雪に覆われていますが、日照時間が長く、戸隠連峰も見える風光明媚な場所です。
春になり作付けまでの間に構想が膨らみます。安心安全で栄養価豊富な野菜作りのために今年はどんなことにチャレンジしていけるか、そんなことを考えながら年末年始を過ごしました。
本年もどうぞよろしくお願いいします。
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2017/12/12
(*本記事は長野市地域おこし協力隊ブログに2017/12/7にご掲載いただいたものの転載です)
戸隠地区の水谷です。師走に入って早1週間。みるみる自然の景色は移り変わっていきます。本格的な冬に移行しています。一晩で一面雪化粧に覆われる日が既に数回、夜中は氷点下になることが普通になってきました。昼夜間の寒暖の差の大きさを特に感じるこの頃です。
今年のまとめとして、1年間を振り返り戸隠の自然が与えてくれた学びを農業を中心に書いていきたいと思います。
この図は戸隠公民館さん、戸隠中学校さんで講演をさせて頂いた時、最後に使用したスライドです。農を中心を展開されていく分野を表現しました。もちろんこれだけではありませんが、私が農業に携わる中で特に感じたものです。
農業は実際大変なことが多いです。始めばかりだとなおさらで、これで生活が成り立っていくのか?と自問する回数は数え切れません。誰もが通る結構キツイ期間でもあります。でも、それ以上に縦横無尽な可能性に満ちていると感じていて、それが推進力になっています。何と言っても現場で作業している時間はもの凄く面白い。そして、農業を通じて自然と直に関わることで得る学びはプライスレスです。
「日々の食」と「技能技術」「感性直観」の項目を中心に見ていきたいと思います。
1.日々の食
「農」と「食」の関係は密接です。「私達の身体は食べたもので出来ている(You are what you eat)」という有名なフレーズがあります。本当にその通りだと思います。野菜を育てていると食の安全性への関心も自然と高まります。
栄養価が高く安心安全なものを育てて食したい、健康で元気に過ごしたい、そういう気持ちが強くなってきます。その気持ちに共感いただけるお客様に直にお届けできたらどんなに嬉しいことか。
"You are what you eat"を表現したGiuseppe Arcimboldoの絵(wikipedia)
有難いことに今年多くの方々に支えられ、それが叶いました。有機栽培で取り組んだ高原花豆と野菜を届けさせて頂きました。美味しい!といってくださった言葉は本当に嬉しく、来年への大きな励みとなります。
戸隠高原で育んだ有機栽培の高原花豆
有機野菜とエディブルフラワー(食用花)
自分たちの手で作ったお米の美味しさを今年はじめて体験できました
そして、栄養価が高く安心安心な野菜を作るためにはどうすれば良いか?
と突っ込んで考えていくと、生命力に溢れた土作りがキーポイントになってきます。
では、土作りをどのようにすれば良いか?
を考えると、「水」「光」「有機物」「微生物」「土壌構成物質群」「酸素供給量」「電位」「イオン化傾向」etc、一気にサイエンスの方面が近づいてきます。農業は本当にサイエンスと結びつきが強い分野だと実感します。why?を考え続けていくことで可能性の世界がどんどん開かれていきます。ここが面白くて仕方がありません。私にとって推進力の源泉となっています。
2.技能技術・感性直観
特に印象を残っているエピソードをご紹介させていただきます。私が最初に耕作放棄地の再生を試みた時、その隣りの圃場では専業農家でその道60年以上の80歳をこえる老夫婦がいらっしゃいました。老夫婦と言ったら失敬な!と叱られてしまいそうなくらいお元気なお二人です。気力抜群で日々取り組んでいらっしゃいます。このお年でこんなペースだったら、若い時は一体どうだったんだろうとタイムスリップして確認したいくらいのパワーと魅力に満ちていらっしゃいます。
「水谷さん、この辺りの圃場はおらたちが戦後、そうだな60年以上前に開拓をしたところなんだ。昔は全部森だった。水谷さんが今再生しようとしているところも森だったんだ。ここを仲間たちと日々開墾していった。こんな胴の大きな木なんて、伐採するのに大勢の大人で取り組んだって1週間以上かかった。そんなことを繰り返して出来た圃場なんだよ」
私はこれを聞いた時に衝撃と身震いをしました。昔教科書で北海道を開拓した人々の話しを思い出しましたが、戸隠で同じ体験をされた方から直にお聞きすると、その生々しいエピソードには驚嘆しました。と同時に、圧倒的な体験量の差に愕然としました。「昔の人たちは凄かった」と漠然とよく語られますが、凄すぎで言葉になりませんでした。こんな広大な場所を人間の手だけで開墾していったなんて信じられない、、、。
人里離れた山間部、大地には心揺さぶられるドラマがありました。
このIさんという農家は口数は少ない方ですが、実に農業のカンとコツに溢れた方でいらっしゃいます。まず、力の使い方、身体の動きが綺麗でなめらか。遠くから見ていていつも感動していました。それに天候の動きを読むカンが絶妙でした。ある日、通路を掘られていました。何をしているんですか?とお聞きすると、「もうすぐ大雨が降ると思う。水の道を作っておくんだ。そうしないとせっかくの農作物が流れてしまう。こういう風に筋道をつけておけば大丈夫」と。これは長年の作業で養われたカンに他ならず、難しい力学的な法則を知らずとも身体が覚えているということ、感動的でした。素晴らしい先生が隣りにいてくださって有難い限りでした。
農業を知るためには急がばまわれ、時間がかかっても良いから、昔の人々が行った「開墾」という動作に触れたい。開墾まで行かなくても、耕作放棄地の再生をやってみたら、学びが深まるのではという考えで取り組んだところ、当初の思惑以上にこれもまたプレイスレスな学びを得ることができました。
農業はカンやコツがものを言うのは間違いありません。サイエンスのアプローチも大事でしょうが、最後は人間の感覚が一番大事だと思います。時間がかかっても、泥臭いことをやってみたお蔭で自然界が抜群の学びの機会を与えてくれました。
これから向かっていく厳冬期。一年の振り返りと来年への計画を立てていく時期でもあります。体験し学んだことをより良く次の年に活かしていけるよう、じっくり考える時間を取りたいと思います。お読みいただき、ありがとうございました。
11月の大望峠
12月の戸隠山
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戸隠地区の水谷です。師走に入って早1週間。みるみる自然の景色は移り変わっていきます。本格的な冬に移行しています。一晩で一面雪化粧に覆われる日が既に数回、夜中は氷点下になることが普通になってきました。昼夜間の寒暖の差の大きさを特に感じるこの頃です。
今年のまとめとして、1年間を振り返り戸隠の自然が与えてくれた学びを農業を中心に書いていきたいと思います。
この図は戸隠公民館さん、戸隠中学校さんで講演をさせて頂いた時、最後に使用したスライドです。農を中心を展開されていく分野を表現しました。もちろんこれだけではありませんが、私が農業に携わる中で特に感じたものです。
農業は実際大変なことが多いです。始めばかりだとなおさらで、これで生活が成り立っていくのか?と自問する回数は数え切れません。誰もが通る結構キツイ期間でもあります。でも、それ以上に縦横無尽な可能性に満ちていると感じていて、それが推進力になっています。何と言っても現場で作業している時間はもの凄く面白い。そして、農業を通じて自然と直に関わることで得る学びはプライスレスです。
「日々の食」と「技能技術」「感性直観」の項目を中心に見ていきたいと思います。
1.日々の食
「農」と「食」の関係は密接です。「私達の身体は食べたもので出来ている(You are what you eat)」という有名なフレーズがあります。本当にその通りだと思います。野菜を育てていると食の安全性への関心も自然と高まります。
栄養価が高く安心安全なものを育てて食したい、健康で元気に過ごしたい、そういう気持ちが強くなってきます。その気持ちに共感いただけるお客様に直にお届けできたらどんなに嬉しいことか。
"You are what you eat"を表現したGiuseppe Arcimboldoの絵(wikipedia)
有難いことに今年多くの方々に支えられ、それが叶いました。有機栽培で取り組んだ高原花豆と野菜を届けさせて頂きました。美味しい!といってくださった言葉は本当に嬉しく、来年への大きな励みとなります。
戸隠高原で育んだ有機栽培の高原花豆
有機野菜とエディブルフラワー(食用花)
自分たちの手で作ったお米の美味しさを今年はじめて体験できました
そして、栄養価が高く安心安心な野菜を作るためにはどうすれば良いか?
と突っ込んで考えていくと、生命力に溢れた土作りがキーポイントになってきます。
では、土作りをどのようにすれば良いか?
を考えると、「水」「光」「有機物」「微生物」「土壌構成物質群」「酸素供給量」「電位」「イオン化傾向」etc、一気にサイエンスの方面が近づいてきます。農業は本当にサイエンスと結びつきが強い分野だと実感します。why?を考え続けていくことで可能性の世界がどんどん開かれていきます。ここが面白くて仕方がありません。私にとって推進力の源泉となっています。
2.技能技術・感性直観
特に印象を残っているエピソードをご紹介させていただきます。私が最初に耕作放棄地の再生を試みた時、その隣りの圃場では専業農家でその道60年以上の80歳をこえる老夫婦がいらっしゃいました。老夫婦と言ったら失敬な!と叱られてしまいそうなくらいお元気なお二人です。気力抜群で日々取り組んでいらっしゃいます。このお年でこんなペースだったら、若い時は一体どうだったんだろうとタイムスリップして確認したいくらいのパワーと魅力に満ちていらっしゃいます。
「水谷さん、この辺りの圃場はおらたちが戦後、そうだな60年以上前に開拓をしたところなんだ。昔は全部森だった。水谷さんが今再生しようとしているところも森だったんだ。ここを仲間たちと日々開墾していった。こんな胴の大きな木なんて、伐採するのに大勢の大人で取り組んだって1週間以上かかった。そんなことを繰り返して出来た圃場なんだよ」
私はこれを聞いた時に衝撃と身震いをしました。昔教科書で北海道を開拓した人々の話しを思い出しましたが、戸隠で同じ体験をされた方から直にお聞きすると、その生々しいエピソードには驚嘆しました。と同時に、圧倒的な体験量の差に愕然としました。「昔の人たちは凄かった」と漠然とよく語られますが、凄すぎで言葉になりませんでした。こんな広大な場所を人間の手だけで開墾していったなんて信じられない、、、。
人里離れた山間部、大地には心揺さぶられるドラマがありました。
このIさんという農家は口数は少ない方ですが、実に農業のカンとコツに溢れた方でいらっしゃいます。まず、力の使い方、身体の動きが綺麗でなめらか。遠くから見ていていつも感動していました。それに天候の動きを読むカンが絶妙でした。ある日、通路を掘られていました。何をしているんですか?とお聞きすると、「もうすぐ大雨が降ると思う。水の道を作っておくんだ。そうしないとせっかくの農作物が流れてしまう。こういう風に筋道をつけておけば大丈夫」と。これは長年の作業で養われたカンに他ならず、難しい力学的な法則を知らずとも身体が覚えているということ、感動的でした。素晴らしい先生が隣りにいてくださって有難い限りでした。
農業を知るためには急がばまわれ、時間がかかっても良いから、昔の人々が行った「開墾」という動作に触れたい。開墾まで行かなくても、耕作放棄地の再生をやってみたら、学びが深まるのではという考えで取り組んだところ、当初の思惑以上にこれもまたプレイスレスな学びを得ることができました。
農業はカンやコツがものを言うのは間違いありません。サイエンスのアプローチも大事でしょうが、最後は人間の感覚が一番大事だと思います。時間がかかっても、泥臭いことをやってみたお蔭で自然界が抜群の学びの機会を与えてくれました。
これから向かっていく厳冬期。一年の振り返りと来年への計画を立てていく時期でもあります。体験し学んだことをより良く次の年に活かしていけるよう、じっくり考える時間を取りたいと思います。お読みいただき、ありがとうございました。
11月の大望峠
12月の戸隠山
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